アメリカの旅
差出人は、テキサス州アマリロの古本屋オーナーであるジムさん。
中には、ジムさんが包んでくれたと思われる二つの小さな包み。
ご丁寧にリボンもつけてれくている。
私宛の包みを開けると、出てきたのは、
1950年代に主に日本で作られたお土産用の煙草ケースだった。

横須賀ジャンバーと同じく、富士山と日本列島が描かれているのが特徴。
この手の品物は、もう60年くらい経過しているので、アメリカでもアンティ-クショップで売られている事が多い。
前から欲しかったけど、買えなかった物なので、本当に嬉しい!
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物の年代の話をすると、スタッフから、「なぜ、年代を判別出来るか」を聞かれるが、いつも「それは自分で勉強しましょう」と答える。
私は、「何でもインターネットで答えが解ってはいかん」と思う。
実際に物を見て、信用できる人に会って、情報を得てほしい。
絵本も同じ。
モニター画面の中の物ではなく、実物を目にする事が大切ではないかと思う。
スタッフ宛の物は、こんな感じで、ギフト包装されていた。

使われている素材を見ると、これは1960年代のフラワー・チルドレン世代のネックレスではないかと思う。これも、古い物を沢山見て来ないと判別が難しい。

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ジムさんの事は何度となく寄稿したり、記事に書いていただいたりした事がある。
彼は、私(店主)がアメリカ絵本探しの旅の途中で出会った大好きな古本屋オーナー。
もう20年近いつきあいだ。
テキサスに行く毎に訪ね、その後もクリスマスカードを送ったり、メールをやり取りしている。
時々くれるメールには、自分の事を「uncle jim」と書いてくれる。
私達も、本当のおじさんのような気持ちを持っている。
彼は東洋の文化に造詣が深い。
文化と言っても幅広い。尺八も吹くし、タブラも叩く。格闘技も好きみたいだし、歌謡曲も知っていた。
もちろん、書店オーナーらしく、『雨月物語』などの日本文学にも興味があるようで、何度か質問された事もあった。
ジムさんの店は、歴史ある建物を利用した立派な古書店なのだが、カウンターには竹を飾り、ピンクレディのポスターや、ガメラのフィギュアが飾ってあったりと、ジムさんの好きな物が混ざっていて、とっても自由な感じがした。
今回は、クリスマスでも誕生日でもない、何でもない日の贈り物。
おそらく、アンティークショップかマーケットで良い物を見つけ、思いついて贈ってくれたのか。
これも、なんだか、とても「自由」な感じ!
素敵な物を贈ってくれた、少し年上の友人に感謝。
そして、ずっと私達を憶えていてくれる事を、本当に嬉しく思う。
また会いたいな!