訃報
追悼 モーリス・センダックさん
脳卒中による合併症の為、83歳で亡くなりました。
人間、いつかは天国に行く日が来るものですが・・・
アメリカ絵本界、そして世界の絵本界は、大きな存在を失ったと言えるでしょう。
今回は、私なりのセンダックさんへの追悼記事を書かせて頂きます。

アメリカで、大人からも子供からも好かれた作品「WHERE THE WILD THINGS ARE」
日本語タイトル「かいじゅうたちのいるところ」
この作品は映画化されたり、人形も含めたグッズが発売されるなど、様々な分野で浸透しています。
そして、Little Bear のシリーズなど。
センダックさんはアメリカ絵本界の巨匠でした。

「WHERE THE WILD THINGS ARE」発売から25周年記念で出版された豪華本

センダックさんのサインが入っています。
日本では有名デザイナーのデザイン本ばかりがもてはやされているような気がします。
しかし、私は「絵本の王道」の感覚を感じられる、センダック作品が好きです。
「絵本の原点は何処にあるのか?」というや追求と、
そうでありながら「形にとらわれない事の重要さ」など・・・・
もう一度考えてみたいと思います。
有名デザイナーでもあり、PUSH PIN STUDIOの設立者の一人である「Seymour Chwast」(シーモア・クワスト)の「Still Another Children's Book」

この本の最初の部分に、センダックさんに捧げる文章が書かれています。

Dedicated to Maurice Sendak, whose books have given us great pleasure.
沢山の楽しみを与えてくれたモーリス・センダックに捧ぐ
アメリカ各地の古本屋を旅していると、絵本専門店でなくとも、センダックさんの絵本作品がショーケースに入っているのを見かけます。
(センダックさんのサイン本である事が多いようですが)
アメリカの書籍業界では、「センダックさんは偉大であった」のだと感じます。
センダックさんの絵本作品からは、色々な事を学べます。
時代を越えて愛される絵本の素晴らしさや、
色彩が少なくても皆に好まれる作品の凄さ、
アメリカ絵本の自由さを感じました。
そして、イラストレーターや著者という部分ではない、
人間としてのセンダックさんの人生観・・・・・
挑戦者であり、冒険者でもあり、人として正直であったセンダックさん。
「絵本は、子供を意識して描いてはいない。」と語っていたセンダックさんに、
今まで、いろいろな作品を有難うと言いつつ、
モーリス・センダックさんのご冥福をお祈りたいと思います。
安らかにお眠り下さい。


※『かいじゅうたちのいるところ』のスパイク・ジョーンズ監督が贈るフィルム。インタビュー形式でセンダックさんに迫っていく『みんなのしらないセンダック』は大変印象に残りました。

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